中国重視から大転換の米国、この好機を逃すな

1　アジア太平洋概観

日米共同統合演習「キーンソード」で報道陣に公開され、東京の在日米軍横田基地で、離陸体勢に入る米軍のC130ハーキュリーズ輸送機（2010年12月6日撮影）〔AFPBB News〕

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　ヨーロッパを除くユーラシア大陸であるアジアおよび太平洋地域を俯瞰すれば次のように言えるだろう。

　「凋落する米国と日本、台頭する中国とインド、勃興する異形の大国中国に懸念を募らせるアジア諸国」

　安定した安全保障システムが機能している欧州方面に対して、この地域における安定的な安全保障システムはいまだ構築されていない。

　アジア地域の安全保障上の最大の懸念は、世界第2位の経済力をつけた中国の動向である。

　彼の国の膨張主義、冒険主義、傍若無人とも言える最近の活動に、オバマ政権は、当初の中国重視とも思える対中戦略を劇的に変えつつあるように見える。

　かかる大激変に対して、我が国は、あまりにも無頓着であり、政治は政局絡みの抗争を繰り返している。このままでは、我が国は、回転速度を増して坂を転げ落ちるのみではないかと懸念を持つのは小生のみではあるまい。