6月はウラジーミル・プーチン大統領の発言に接する機会が多い月である。
月初のサンクトペテルブルグ国際経済フォーラム(SPIEF 2017)での演説、中旬にはロシア国民との「ホット・ライン」対話など、プーチン大統領の関心が今どこにあるのか知るよい機会である。
その中で注目されるのは「デジタル・エコノミー」に対するプーチン大統領の関心の高さである。
プーチン大統領の発言をみてみよう。
仮想通貨の開発者とも会談
「デジタル・エコノミーとは独立したセクターではない。それはあらゆるビジネス、貿易、運輸、生産部門対する数量モデルのフレームワークであり、教育、医療、行政、通信のフォーマットを変革し、ひいては国家、経済、社会全体の発展のための新たなパラダイムを提供する」
SPIEF 2017ではやや抽象的な発言ながら、デジタル・エコノミーに対するプーチン大統領の期待の高さは十分感じ取れる。
一方、国民向けのホットラインでは「デジタル・エコノミーなくして我々は次の技術レベルに進むことはできない。 つまりロシアはデジタル・エコノミーへの転換がなければ未来はない。これが我々が取り組むべき最優先の課題だ」と思うところを単純明快に述べている。
さらにプーチン大統領はSPIEF 2017において、ビットコインと並ぶ仮想通貨イーサリアム(Ethereum)の開発者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏と会談している。
ブテリン氏は現在23歳、モスクワ州コロムナで生まれ6歳のときに両親とカナダに移住、現在はシンガポールに住んでいる。18歳のときに国際情報オリンピックで銅メダルを獲得した秀才である。