(文:堀内 勉)
作者:バリー・シュワルツ 翻訳:田内万里夫
出版社:朝日出版社
発売日:2017-04-12
TED(Technology Entertainment Design)はどんなテレビ番組より面白いので(但し、NHK『BS世界のドキュメンタリー』は除く)、iPadでテレビ代わりによく見ている。テレビドラマや映画だと英語が分からないことが多くて字幕がないと辛いが、TEDトークはプレゼンテーターの思考が冴えていて、話もロジカルなので、英語がすごく分かりやすく、特殊な分野を除いて字幕なしで見ることができる。
もっとも、YouTubeにアップされている人気のTEDトークの多くには日本語字幕が付いているので、ほとんどのトークは英語ができない日本人でも楽しめる。自分にとっての一番のお気に入りは、フォロアーシップの重要性を説いた"How to start a movement"(社会運動はどうやって起こすか)の裸踊りのプレゼンテーションだが、こんな面白い映像がタダで見ることができてしまう今の時代、テレビ局の製作の方々は本当に気の毒だと思う。
そのTEDトークの一部がTEDブックスになって刊行されている。その一冊が、この『なぜ働くのか(Why We Work)』である。著者のバリー・シュワルツ氏は、ペンシルバニアにあるスワースモア大学の社会学教授であり、本書は、同氏のTEDトーク"The way we think about work is broken"(我々の仕事の考え方は間違っている)がベースになっている。
アイデアのテクノロジーとは?
短い本なので結論から言ってしまうと、著者は、「アイデア・テクノロジー」におけるイノベーションを起こそうとしているのである。