大学入試の最中、なぜ受験生はスマートフォンを見てはいけないんでしょうか?
5月20日、姫路城で開かれた将棋ソフトとプロ棋士の対戦「電王戦二番勝負」第2局では、現役のタイトルホルダー・佐藤天彦名人(29)が将棋ソフト「PONANZA」に敗退。
すでに1兆局を超えるシミュレーションでライブラリを充実させた将棋ソフトを、佐藤名人は率直に「いまのプロ棋士のレベルを超えているのでは」と感嘆させました(参照動画=https://www.youtube.com/watch?v=y3xaWXudI2Q)。
第2手から「4二玉」という、従来棋界の常識では考えられない手を選択、コンピュータ―のすることですから勝算のないことはするわけがなく、従来の将棋の領域を大きく超える可能性が開かれる予感、といったコメントも出てきつつあるようです。
これにすぐ続けて5月22日、中国では囲碁の名人とAIとの真剣3番勝負が行われ、米グーグルが開発している囲碁ソフト「AlphaGo」が柯潔九段(19)を第1局(参照動画=https://www.youtube.com/watch?v=3TlhWCdkZEM&t=4s)、第2局(参照動画=https://www.youtube.com/watch?v=6vtuoMfdmjE&t=910s)、第3局(参照動画=https://www.youtube.com/watch?v=c-Mc-60q_24)と連続して破るさまがリアルタイムで報じられました。
AIと人間界名人との頭脳ゲームでの真剣勝負、現役タイトルホルダーとの対局がセッティングされ人間が敗れるというのが、2017年5月時点で、ある最前線を形成している様子です。
さて、そんな状況の中で再び問いましょう。大学入試の最中、なぜ受験生はスマートフォンを見てはいけないのでしょうか?
「そんなの当たり前だろ! カンニングになる」
なるほど、確かにそうかもしれません。でも、実際に大学合格した暁には、単位の多くはリポートで発給されますから、スマホどころか、インターネットを駆使して情報を集めて勉強するのではないですか?
「・・・」
それだったら、入試時点でも、全員平等に「スマホを使ってよろしい」として試験を実施したってよさそうなものです。部分的には人間よりはるかに優れた能力をもつシステムを、大学入学後は駆使して研究や仕事をするんだから・・・。