「ロイヤルパークホテル ザ 汐留」(東京都港区)の「里山ルーム」はワイス・ワイスが設計を担当し、秋田・岩手の木材を使用した(写真提供:ワイス・ワイス、以下同)

 日本は、長い間、欧米諸国からの非難をよそに、世界各地で“違法伐採” された木材や、それを使った製品を輸入し続け、それは一方では、日本の林業を衰退させ、地方の過疎化・少子高齢化を加速する要因ともなってきた。

 こうした状況を変革するために立ちあがった人物、それが家具インテリア・メーカー「ワイス・ワイス」(東京都渋谷区神宮前)の創業経営者・佐藤岳利氏(52)である。国産材を1%使っただけで大きな話題になる日本の家具インテリア業界において、彼は、フェアウッド(合法で伐採地の森林環境や地域社会に配慮した木材)使用率100%を達成し、国産材80%使用を実現している。

 全国各地の山奥深く分け入って、地道に林業関係者たちとの人間関係をつくり、かつてない画期的なビジネスモデルを創出して、KURIKOMAなどの大ヒットを飛ばした。

 林業の再生、地域の創生実現への第一歩を踏み出した佐藤氏であるが、今回は、彼を“変革者”たらしめた経緯を中心に見ていきたい。

IT企業「ドリーム・アーツ」(東京都渋谷区)は、ワイス・ワイスの姿勢に共感し同社家具を導入。リクルーティングにも大きな効果を発揮しているという

(前回の記事)「『木材ロンダリング』との戦いに立ち上がった男
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50135