団塊世代にとって、家とは静かな環境で子供達をのびのび育てる場でした。そのため、駅から少し離れた住宅街にニーズが多くありました。しかし、彼らが住宅を購入した時を30歳とすると、1977年〜1979年代。40年近く経った今、この価値観はまだ現代に通用するでしょうか?
横浜市でも、2015年国勢調査(総務省)によると人口減少が増えています(港南区、金沢区、栄区、瀬谷区など計8区)。中でも「首都圏の住宅地」として高度経済成長期を支えた港南区が減少しつづけている点に注目です。これは、国として人口が減少しているだけでなく、現在の若い世代がこうしたエリアに魅力を感じられなくなってきたからと言えるからです。
現在、若い世代では狭くても都心・駅近がいいという層が増えています。いわば「職住一致」志向です。その結果、7平米(四畳半程度)のような小さな部屋でも、都心近くの駅から近い立地ならすぐ埋まるという現象も起きています。
「首都圏の住宅地」は減少、都心志向強く
先ほどの横浜市に目を向けると、都筑区や鶴見区、港北区は人口が増えているのですが、この3区はどこも東京都に近い区です。さらに東京都に近い川崎市の人口は武蔵小杉駅の人気などもあり7つの区すべてで人口増です。武蔵小杉駅などはファミリー向けのマンションもあり、この傾向は独身の若い世代だけでなくDINKSや子育て層でも同じようです。
従来とは異なり、DINKSや子育て層ですら都心に近づこうとする理由、それは「共働き」にあります。
団塊世代は父親が働き、母親は郊外の家で子育てをするというスタイルが一般的でした。しかし、次の図を見てください。これは、独立行政法人 労働政策研究・研修機構が発表した専業主婦世帯と共働き世帯数の推移を見たものです。