竹鶴政孝の信念生きる新作プレミアムジン・ウォッカ

カフェ蒸溜液が原料の香りと味わいの個性を引き出す

2017.05.31(Wed)稲毛 倫子

豊かな原料由来の香りと味わいに驚き

会場には、カフェ式連続蒸溜機で作られたカフェグレーン、カフェモルト、カフェウオッカ、カフェジンのテイスティンググラスが用意されていた

 まずは、ニッカ カフェウオッカの製造方法を見ていこう。

 カフェスチルは、精溜塔ともろみ塔の角型の2塔式。内側の液体に触れる部分はすべて銅製となっている。還流により気化と液化を連続的に繰り返して、高アルコールの蒸溜液ができる。

 大麦麦芽(モルト)100%で作った「カフェ蒸溜液」と、とうもろこし(一部麦芽入り)が入った何種類ものカフェ蒸溜液をブレンドして作られている。この組み合わせが難しいということだ。強度を抑えたろ過で豊かな香りを残しており、ふくよかでやわらかな香味を実現している。

 テイスティンググラスを鼻に近づけると、穀物の甘い包みこむようなふわーとした甘い香りが鼻孔をくすぐる。クリームのようなバナナパフェのような香りも心地よい。白い花のようなフローラルで華やかな香りは麦芽由来、そして、コクのあるキャラメルのような甘い香りはとうもろこしからくるものだ。

 口に含むと、ふんわりとした甘い味わいと、茹でたとうもろこしのような原料由来のやわらかな味わいを楽しめる。

 ウオッカからこれほどまでに原料の豊かな味わいを得られるのか。これは驚きだ。少しずつ口に含みながら、とろりとした口当たりが心地よい。

 そして、ニッカ カフェジン。

 こちらは、カフェウオッカで使っている大麦麦芽ととうもろこしの蒸溜液に、ジン蒸溜液3種類をブレンドしている。

 3種類あるジン蒸溜液の原料のひとつは山椒、そしてゆずやりんごなどの和柑橘、ジュニパーベリーやオレンジピールだ。

ジン蒸溜液の原料に使われているジュニパーベリー(左)、ゆず(中)、山椒(右)

 山椒と和柑橘の蒸溜液は減圧式蒸溜、ジュニパーベリーなどを漬け込んだ蒸溜液は常圧式蒸溜を行っている。

 カフェジンを口に含むと、山椒のピリリと効いたスパイシーさが広がる。生のフレッシュグリーンの香りはやわらかい和柑橘のふんわりとした甘さに包まれる。

 これらを蒸溜した減圧式蒸溜機は、圧力を低くして蒸溜するのでフレッシュな生の柑橘の皮や山椒の香りが生きるのだという。

 ジン特有のさわやかなジュニパーベリーのシトラス漂う中に、日本由来の山椒やゆずなど香りが強い個性となって次々と広がり重なり合う。複雑な味わいを下で転がし、鼻全体で楽しむ豊かな時間となる。

 ニッカウヰスキー株式会社チーフブレンダー佐久間正氏によると、このカフェジンは、日本らしさと調和があるものを目指し、3年前にプロットタイプを作り、本格開発をしたのだとか。

 どちらもこれまで飲んだことのあるウオッカ、ジンとは異なる圧倒的な存在感だ。ベースにしているカフェ蒸溜液の比率は、カフェウオッカとカフェジンで異なり、味や香りを優先して個性を際立たせたという。

 

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