米ミサイル攻撃、シリア可動機の2割破壊 化学兵器あえて狙わず

トランプ政権の外交は変節を遂げたのか?米駆逐艦ポーターが地中海から行ったシリアへのミサイル攻撃。米海軍提供(2017年4月7日撮影)。(c)AFP/US NAVY/Mass Communication Specialist 3rd Class Ford Williams〔AFPBB News

 シリア攻撃以降、トランプ外交をめぐる評価が急変した。例えば、安倍首相へのインタビューでも知られるワシントン・ポストのコラムニスト、デヴィッド・イグネイシャス氏は、それまでの罵倒から一転してトランプ大統領を褒め称えるようになった。

 こうした米国のメディアや専門家の“転向”に乗じるように、我が国でも「トランプは孤立主義者から積極的関与主義になった」という見方が出てきている。最近の「米国は北朝鮮をすぐにも攻撃する」という報道や解説はその典型だろう。

 だが、本当にそうだろうか。筆者は、トランプ自身の基本的な外交ドクトリンは首尾一貫して合理的であり、当初から今に至るまで少しも変化していないとみている。

トランプ大統領の一貫した外交戦略

 その事実はトランプ政権に高い影響力を持つ専門家からも指摘されている。

 大統領選期間中からトランプとそのチームにアドバイスしてきた人物の1人にジェイムズ・カラファーノがいる。カラファーノはトランプ政権に絶大な影響力を持つ「ヘリテージ財団」の外交・国防政策担当副所長であり、トランプ政権移行チームの国務省作業部会に所属して国務省の人事も差配した。

 そのカラファーノが4月20日のナショナルインタレスト誌で「トランプ大統領は一貫した外交戦略を持っている」という趣旨の論説を掲載した。概略は以下のとおりである。