ハーバード法科大学院、「奴隷制を連想」と批判された紋章を廃止

米マサチューセッツ州ボストンのハーバード大学〔AFPBB News

 昨年12月、医師対象とする初めての大規模調査「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」が行われた*1

 私は研究協力者として、調査票の作成から約1万6000人から得られた回答の解析を行った。これにより医師の労働時間の実態や地方勤務への考え方が明らかになった。

 都会に医師が「偏在」しているので、医師を管理して強制的に地方に勤務させるべきだという意見があるが、私は学生時代からこれに疑問を感じていた。

医師の約4割が地方勤務を希望

 そもそも日本全国に完全に平等に医師が存在することなどあり得ない。何をもって偏在と言えるのだろうか?

 都会で働きたい医師もいるけれど、地方で働きたい医師もかなりの割合いるのではないだろうか?

 今回の調査は、その疑問の答えを得る絶好のチャンスでもあった。医師の地方勤務への考え方を明らかにしようと、議論を重ねて設問や選択肢を設定した。

 そして私はこの調査中ちょうど妊娠しており、自分や夫、生まれてくる子供の人生を考える中で、現在の医療政策の考え方について大きな不安を感じた。

 この調査結果のポイントは、医師の4割以上に地方で勤務する意志があると分かったことだ。そして、その意志がない医師に理由を尋ねると、20代では労働環境、30~40代では子供の教育環境が1位だった。

*1http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000161075.pdf