フランス大統領選は4月23日の1回目投票まで残すところ1週間を切った(決選投票は5月7日)。ここに来て、急きょ争点の1つとして浮上したのが原発問題だ。フランス最古のフェッセンアイム原発(仏中東部、1977年稼働)の「閉鎖延期」が4月6日に決まったからだ。有力候補者たちは原発存続派と閉鎖派に分かれて激しい論戦を展開している。
トップを走る3人のスタンスは?
各種世論調査で支持率二十数パーセントを獲得し、トップ争いを続ける極右政党「国民戦線」(FN)のマリーヌ・ルペン氏は、「近代化、安全化」との条件付きながらフェッセンアイム原発の維持を唱えている。
ルペン氏と抜きつ抜かれつの熾烈な戦いを展開中の中道政治グループ「前進!」のリーダー、エマニュエル・マクロン氏(前経済・再建・デジタル相)は、原発エネルギー依存率の「50%削減」を公約し、フェッセンアイム原発に関しても「閉鎖」を唱えている。
支持率18%前後で2人を猛追する右派政党「共和党」(LR)の公認候補フランソワ・フィヨン元首相は原発の再開発を公約文書に記載し、基本的には「原発維持」派だ。