仏ニース・カーニバル、華やかに開幕

仏南東部ニースで開幕した「ニース・カーニバル」のパレードに登場したドナルド・トランプ米大統領をモチーフにした山車(2017年2月11日撮影)〔AFPBB News

 ロビイスト。

 名称はよく耳にするが、具体的にどんな仕事をするのか熟知する人は少ない。法律を立案する連邦議会を中心に、民間企業や政府・団体から報酬を得て、法案成立(時には否決)に影響を及ぼす人たちのことだ。

 例えば、公害を取り締まるための法案が議会に提出されたとする。法案が通過して法律になると、ある企業にとっては公害対策として設備投資に莫大な費用がかかる。企業はロビイストを雇って法案を潰しにかかる。

 議員への陳情が主な活動だが、トランプ政権が誕生したいま、直接ホワイトハウスに働きかけるロビイストたちがいる。その1人が昨年6月までトランプ選挙対策本部長を務めていたコーリー・ルワンドウスキー氏だ。

F35を大幅値引きさせた男

 同氏は昨年12月、ホワイトハウスから道路1本隔てたオフィスビルに、「アベニュー・ストラテジーズ」社というロビイング会社を設立した。昨年までのトランプ・コネクションを使って、直接様々な交渉をする。

 起業間もない組織だが、ルワンドウスキー氏のもとに大きな仕事が舞い込んだ。ロッキード・マーティン社が米政府に売却する最新型ステルス戦闘機F35の価格交渉である。

 ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)は昨年12月12日、自らのツイッターでF35は高すぎるとつぶやいた。すぐに周囲がざわつき始める。まずロッキード・マーティン社の株価が急落した。

 トランプは再びツイッターで、「1月20日以降、数十億ドルの防衛調達費を削減できるだろう」と記した。米メディアは事実関係だけを伝えたが、背後にどういった動きがあったかまでは報道していない。

 ルワンドウスキー氏が自ら動いたのか、トランプが同氏を動かしたのかは定かではない。だが、同氏がロッキード・マーティン社のマリリン・ヒューソン最高経営責任者(CEO)に面会して価格交渉がスタート。

 そして1月13日、ヒューソン氏はトランプと会談し、F35の製造コストを大幅に圧縮することを告げた。

 結果的に90機分の調達費用を当初の価格より約7億2800万ドル(約820億円)も値下げした。1機あたりにすると9450万ドル(約107億円)で、これまでの調達額としては最低である。