(文:コーチ・エィ 桜井一紀)
「自分の願いをかなえる力は自分にある」
これは『主体的に動く アカウンタビリティ・マネジメント』(原題 “The OZ Principle”)の冒頭の記述です。
本書の「はじめに」は、
「『オズの魔法使い』のドロシーたちのように、自分の願いをかなえる力は自分の中にあるのだと気づいてもらえることを切に願う」
という言葉で締めくくられています。
願いをかなえる社長、かなえない社長。二人の共通点と違いとは?
3年前に、タイで、二人の日系企業の社長に出会いました。
お二人とも、タイでゼロから工場を立ち上げ、その拡大に成功されています。共通しているのは、自分がトップに立ち、強い牽引力でここまで引っ張ってきたこと。話を聞くと、お二人からまったく同じような答えが返ってきました。
「数年前にこの工場を立ち上げて、日本人は自分一人でここまで引っ張ってきた。怒鳴る、叱責するは当たり前、強い指示、命令型で工場を拡大してきた。ところが、ここにきて、自分が言わなければやらない、現地のマネジャーには任せられない状態が起こっている。このままではこれ以上の発展は望めない」