人材派遣会社の平均マージン率は?(写真はイメージ)

 筆者は毎年1月に、日本の派遣業界のマージン率に関する調査を独自に行っています。今回はその調査結果の概要を紹介したいと思います(詳しい調査報告書を筆者のブログに掲載しましたので、併せてご覧ください)。

 調査は、一般社団法人日本人材派遣協会(JASSA)の登録企業ほか大手数社を対象として、643社の企業をサンプルに行いました。今回の調査結果によると、労働者派遣法で公開が義務付けられているマージン率などの情報をホームページ上で公開している割合は24.6%となり、前年は5社中1社だった割合が4社中1社に増えました。前年に比べると6.6ポイントの上昇です。

 ただし、公開が法律で義務付けられていることを考えると、それでもまだ低い数字と言わざるをえません。一部の派遣大手ではいまだに公開義務を果たしていませんし、取材でも回答を拒否するなど、大手の中でも情報公開姿勢には隔たりが見られるのが現状です。

 また、平均マージン率は前年比1.3ポイント増の30.6%となり、30%の大台を初めて突破しました。

「派遣マージン率」とは?

 そもそも派遣マージン率が具体的にどんな意味を持つ数字なのかを知っている方は、派遣業界関係者以外だと少ないと思われます。そこで、まず簡単にその意味を説明しましょう。

 厚生労働省のホームページ「派遣労働者・労働者の皆様」によると、「派遣料金(派遣先が派遣会社へ支払う料金)」は「賃金(派遣会社が労働者に支払う賃金)」と 「マージン」を加えた額、ということになります(下の図)。

 派遣マージン率とは読んで字のごとく、派遣先が支払う派遣料金と派遣労働者へ支払う賃金の差額の割合を指します。