小池都知事は都庁から「黒い頭のねずみ」を追い払うことができるのか?

 12月2日の小池都知事の定例記者会見で、東京五輪のボート会場などが、結局、元通りになりそうなことに対して、記者から「大山鳴動して鼠一匹」ではないか、という質問がなされた。

 小池知事は、この“浅薄”な質問を「失礼ではないか」と一蹴した。そのうえで、「お金の金額で言うならば、これまでに『2000億円削った』という方もおられが、そこからさらに削っている。その分を見過ごされたのではないか。このままいくと豊洲でないが、どんどん膨らんでいた」と指摘。

 さらに、「誰が歯止めをかけるのか。IOCか、組織委員会か。結局は都民の皆さんに費用がかかってくる。私であれ誰であれ、都に責任がある者はそのことをしなければならなかったのではないか。鼠どころか、大きな黒い頭の鼠がいっぱいいるのがここで分かったではないか。入札の方式はどうなのか。これから頭の黒い鼠をどんどん探していきたい」と反論した。

 その通りである。入札率が99%など、談合しかありえないような落札がほとんどになっている。そこに都議会議員や国会議員など政治家が介在していなかったのかも、大いにメスを入れてもらいたい点である。

 水泳会場となる「オリンピック・アクアティクスセンター」の新設は決まったが、収容人員を2万人から1万5000人に引き下げるなどによって、154億円の減額されることになった。まだ結論が出ていないが、バレーボールなどの会場が仮に有明アリーナ新設になったとしても、建設費が65億円減額されることになっている。ボート・カヌー会場に決まった「海の森水上競技場」も193億円減である。これだけでも400億円の減額になる。

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