日本が銀メダル獲得! 男子400mリレーで快挙

リオデジャネイロ五輪、陸上男子4×100メートルリレー決勝。銀メダルを獲得し喜ぶ(左から)山縣亮太、ケンブリッジ飛鳥、桐生祥秀(2016年8月19日撮影)〔AFPBB News

 今年はオリンピックイヤーでした。日本の若手選手もたくさんメダルを獲得し、盛り上がったと思います。オリンピックで注目されることによって競技愛好者や観客の裾野が広がった競技もあるかもしれません。

 一方で選手の育成について若干不安を覚えます。それは将来性のある若いアスリートに対してです。

 オリンピック強化選手になるような一部のトップ選手ならば専門家による栄養やトレーニングなど体調全般の管理も受けられると思います。

 しかし、一般の中高生の学校での部活動やクラブに所属している選手などは、どれほど栄養や体調管理の面でサポートがなされているのでしょうか。

 先日、友人から中学生の息子さんが血中のヘモグロビン濃度がHb 6 g/dLまで下がったという相談を受けました。

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若い人は鉄分を必要としている

 特に健康上の問題点はなく、部活動で毎日サッカーの練習をし食事もしっかり取っていたにもかかわらず、鉄欠乏性貧血になってしまったのです。

 貧血は月経のある女子の病気と思われがちです。しかし男子でも成長期であったり、厳しいトレーニングをしていたりすると貧血を発症しやすいのです。友人もそれは知っていましたが、ここまで下がることに驚いていました。

 男女問わず、10代の成長期には身体が大きくなるにつれ循環血液量が増え、必要な赤血球の総数も増えます。また、成長する身体そのものの細胞や組織を作るために材料として鉄分をはじめとする多くの栄養素を必要とします。

 このため、1日の鉄分必要量は、成人のそれに比べ多いのです。

 また競技の内容によっては、体重制限の必要に迫られる競技があり、減量目的の食事制限や、必要な栄養素の摂取不足が影響して、一般の人に比べ貧血を患う人の率が高いことが知られています。さらに女子選手は、毎月、月経の出血による鉄分の喪失が上乗せされます。

 最近になってようやく、女子スポーツ選手の貧血や無月経の問題については、一般の人たちからも注目されるようになってきています。しかし男子選手の貧血については、まだまだ関心が低いように感じます。

 思春期や20代の選手における鉄欠乏性貧血は、選手生命はもちろん、将来的な健康にも影響するため、男女問わず、貧血にならないための予防や指導方法の重要性を理解しなければなりません。