【連載第7回】スマートフォン、SNSの普及に加え、測位技術の発展、さらにはドローンなどの新技術出現によって「位置情報ビジネス」が飛躍的に進化している。そう、世界は今「位置情報3.0」時代に突入しているのだ。 本連載では位置情報を活用したビジネスを取り囲む様々なテクノロジーの現状を大前研一氏が解説します。
ビーコンを使って視覚障害者向けの音声案内
観光の話が出たところでご紹介したいのが、米国・サンフランシスコ国際空港の例です。同空港ではiBeaconを利用して、空港内のナビゲーションを提供しています。(図-24)。
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まずは旅行者が空港内でビーコンの範囲内に入ると、スマホにポップアップで通知が送られます。
視覚障害を持つ方など案内が必要な人には、「20メートル先、左側にスターバックス コーヒーがあります」など、空港設備やサービスカウンター、飲食店などの音声案内を通知します。
空港ではとくに、時間内に目的ゲートまで行くことが重要ですから、ゲートへの誘導という点をサポートしつつ、さまざまな情報を提供しています。
ビーコンはボトルキャップほどの大きさで、価格は約20ドル、バッテリーの寿命は4年。比較的低コストで導入できます。約300個をターミナル周辺に設置して、こうした案内システムを提供しています。