先頃、米フェイスブック(FB)が自社の「ライブ動画(Live Video)」サービスを普及させるため、メディア企業や著名人にお金を払い、動画コンテンツを提供してもらっていると報じられた。
最新の報道によると、同社は「YouTube」などの他社サービスに動画を投稿するネットの著名人とも同様の契約を結んでいるという。
ネットの著名人はFBにとって重要
米ウォールストリート・ジャーナルの7月19日付の記事によると、フェイスブックは数カ月にわたり複数のライブ動画を投稿してもらう対価として、総額220万ドル(約2億3000万円)をネットの著名人に支払う。
そうした著名人はグーグル傘下のYouTubeのほか、ツイッター傘下の動画共有サービス「Vine」、フォトメッセージングサービスの「Snapchat」などで多くのフォロワーを抱えているという。
今回の報道に先立ち、ウォールストリート・ジャーナルは、フェイスブックが約140のメディア企業や著名人と契約を結んだと伝えていた。フェイスブックは一定の契約期間内にこれらメディアや著名人からライブ動画を提供してもらい、その対価として総額で5000万ドル(約53億円)以上を支払うという。
そうした契約先には、米ニューヨーク・タイムズや米バズフィードなどのメディアのほか、米国の五輪代表競泳選手マイケル・フェルプス氏(金額は22万4000ドル=約2380万円)、スター・トレックに出演した日系人俳優のジョージ・タケイ氏(同11万4000ドル=約1210万円)などがある。
しかしこれらの契約先の約15%は、“インフルエンサー”とも呼ばれるネットで活躍する著名人。
その中で最も金額が高いのは、YouTubeでコメディー動画を投稿しているレイ・ウイリアム・ジョンソンという人物で、同氏は5カ月半にわたるライブ動画の投稿で22万4000ドル(約2400万円)を受け取るという。
ウォールストリート・ジャーナルによると、こうしたネットのセレブリティーは、メディア企業に比べフォロワー数が少ない。しかしそのファン層は比較的若い世代で、「いいね!」や「シェア」などの反応が多い傾向にある。
ユーザーと近い関係にあるこれらの動画クリエーターはフェイスブックにとって重要な存在だと同紙は伝えている。