国務大臣の河野太郎氏が、国家公務員試験の合格者について興味深い発言をしている。首都圏の大学への集中化が年々進み、地方にある大学の卒業生がキャリア官僚になりにくくなっているという。
河野氏は担当大臣として公務員の人材確保について発言しただけなのだが、人材の首都圏集中化という現象は、キャリア公務員の世界に限らず一般的なものであるとの印象を持った人は多いだろう。
このところ日本では格差問題が活発に議論されているが、もし一部地域の人しか、特定の職業に就きにくくなっているのだとすると、それは「格差問題」ではなく一種の「階級問題」ということになる。本当にそうなら、状況は深刻である。
人口の減少で移動の問題が顕在化
河野氏によると、2005年における国家公務員総合職(いわゆるキャリア組)の合格者を10人以上出した大学を首都圏と首都圏以外に分けた場合、首都圏の大学は59.9%、首都圏以外は40.1%だった。しかし、2015年には、首都圏の割合が67%に上昇し、首都圏以外は33%まで下がっているという。