経営難に直面している米ヤフーの経営陣は、さらに困難な状況に追い込まれそうだ。
米ウォールストリート・ジャーナルの3月24日付の記事によると、物言う株主として知られる米ヘッジファンドのスターボード・バリューは、ヤフーの取締役を全員更迭させる構えという。スターボード・バリューは現地時間の24日朝にもヤフーの取締役9人を新たに指名することを発表すると同紙は伝えている。
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これに先立つ今年1月、スターボード・バリューは、ヤフーの経営陣と戦略の刷新を追求する旨の書簡を取締役会に送り、委任状争奪戦を仕掛ける可能性を示唆していたが、ウォールストリート・ジャーナルの記事によるとスターボード・バリューはこれを実際に行うもよう。
これにより、経営改革を進めているヤフーのマリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)にはさらにプレッシャーがかかると同紙は伝えている。
ヤフーが今年2月に発表した昨年10~12月の決算は、44億ドルを超える大幅な赤字だった。またこの時同社は今後の成長のための戦略計画や、非戦略的資産の売却の検討を始めたこと、約15%の従業員を削減するリストラ策などを明らかにしていた。
その内容は事業のスリム化だ。たとえば消費者向けサービスは、検索、メール、ブログ「Tumblr」の3事業と、ニュース、スポーツ、ファイナンス、ライフスタイルの4つのウェブサイトに簡素化し、成長が見込めないゲームサイトやテレビ向けアプリのサービスは終了する。
また「Mavens」(モバイル、ビデオ、ネイティブ、ソーシャル広告の総称)と同社が呼ぶ中核事業に引き続き注力し、その年間売上高を18億ドル超に伸ばすとしている。
これに加え、従業員数を2012年時点と比べ42%削減し、マドリードやミラノ、ドバイ、メキシコシティー、ブエノスアイレスのオフィス閉鎖する。こうしたリストラ策で今年の年末までに4億ドルの営業経費が削減できると同社は見込んでいる。