「いらっしゃいませ。冬は日本酒が一番!身体もポカポカ、温まりますよ」
お正月、関西空港の免税店でそう声をかけられた。日本酒は海外でも大人気だが、筆者はお酒は、からっきしダメで買う気も飲む気も、さらさらなかったが、その客引きのスタッフの屈託のない笑顔に足を止めた。
名札には「出口」と書かれており、もう1つ、「実習生」とも書かれていた。出口メリーさんの出身はフィリピン。日本人男性と結婚して20年以上経つという。
陽気で天真爛漫なラテン系気質で知られるフィリピン人らしく、その笑顔は一際目立ち、長年の日本在住で日本語も流暢だ。関西空港ではこれまで、中国人や韓国人観光客対応の外国人スタッフが勤務していたが、接客の東南アジア出身のスタッフは初めて。
外国人メイド、大阪府でも
これも、爆買いの中国や韓国以上に“親日”で急増するASEAN(東南アジア諸国連合)地域からの観光客への対応とも取れるが、国家戦略特区の大阪は、「外国人メイド特区」に指定されており、今夏にも3月の神奈川県に次いで、外国人による家事代行サービス業がスタートする。
「外国人技能実習制度」拡大による今年から本格開始の観光業分野での外国人実習生登用の関連もあるが、さらに外国人メイドサービス実施の地ならしとも取れる日本流接客サービスやおもてなしの「日本流儀の実地訓練」を内外にアピールするものだ。
現在、日本の総人口は、1億2681万人(総務省、2016年2月1日現在の概算値=同年2月22日発表。前年同月比で18万人減)。
一方、在留外国人は約213万人(法務省、2015年3月発表=2014年確定数)で、トップは中国人(約65万人)で、韓国・朝鮮人(約51万人)、フィリピン人(約22万人)と続き、日本の総人口に占める在留外国人の割合は1.6%。
人口に占める外国人の割合は、OECD(経済協力開発機構)主要加盟国中、トップはルクセンブルク(44%)、スイス(22%)と続き、ドイツは8位(9%)で米国は13位(7%)、日本は約2%で25位とほぼ最下位だ。
日本の場合、在留外国人数の在留資格等別では、「永住者」(特別永住者含=サンフランシスコ講和条約に基づき、朝鮮半島、台湾から戦前・戦中に日本に移住するが、日本国籍を剥奪された人に対し、平成3(1991)年に与えられた資格。同取得権は子孫に至るまで無期限に供与される)が約104万人で最も多く、全体の約半数を占め、在留資格を得た外国人の2人に1人が永住権を保持していることになる。