2016年米国大統領選挙が熱気を増してきた。予備選段階とはいえ、2月1日、アイオワ州の党員集会で初めて実際の有権者たちの票が投じられ、現実の戦いに入った。これまでは世論調査の数字や政治評論家の分析を基にした仮想現実の戦いだったが、いよいよ現実世界へと移ったわけだ。
その結果、民主、共和両党の先頭走者が意外なつまずきをみせ、新しい展望が浮かび上がることとなった。やはり選挙は水ものということか。
両党で先頭走者が思わぬ苦戦
アイオワ州の党員大会では、民主党の予備選で圧倒的な強さを発揮するとされていたヒラリー・クリントン候補(68)が思わぬ接戦に苦しんだ。
若者の間での絶対的な人気を保つ対抗馬のバーニー・サンダース上院議員(74)が全体としても予想外の支持を集め、クリントン49.9%、サンダース49.6%という事実上の引き分けといえる大接戦となった。州内の7つの小選挙区では両候補の得票がまったく同じだったため、コインを投げて勝者を決めねばならないほどの接戦だった。まさかこれほどの接戦になるとは、クリントン陣営は思いもよらなかっただろう。