米ウォールストリート・ジャーナルによると、米アップルの「iPhone」の製造を請け負っているアジアのサプライヤーが、ここのところ相次ぎ業績予想を下方修正しているという。
今年は需要低下がより顕著
iPhoneなどに半導体チップを供給する台湾TSMC(台湾積体電路製造)は、高価格帯スマートフォンの需要が減速していることを理由に、今年1~3月期の売上高が前年同期比で11%減少するとの見通しを明らかにした。
またiPhone用カメラモジュールを製造する台湾ラーガン・プレシジョン(大立光電)は同じく1~3月期の業績が低迷するとの見通しを明らかしている。
iPhoneの本体ケースを手がける台湾キャッチャー・テクノロジー(可成科技)は今年1~6月の売上高が前年比で横ばいになると見ているという。
これらアップルのサプライチェーン(部品、部材の供給網)にとって、1年の前半は閑散期に当たる。
だがアップルが昨年9月に発売した「iPhone 6s」「同6s Plus」は、前年の「iPhone 6」「同6 Plus」に比べ新規搭載の機能が少ないため、売れ行きが芳しくなく、今年は年前半の需要低下がより顕著になるのではないかと、サプライチェーンの関係者らは話しているという。
これに先立ち、アップルがiPhoneの生産台数を従来計画から引き下げたと国内外のメディアが伝えていた。例えば日本経済新聞は、アップルがiPhone 6s/6s Plusの1~3月期における生産台数を従来計画から3割ほど減らす見通しだと伝えた。
同紙によると、これによりiPhoneの液晶パネルを供給するジャパンディスプレイやシャープ、カメラ用画像センサーを供給するソニー、電子部品を供給するTDKやアルプス電気、京セラなどでアップル向けの出荷が減り、韓国LGディスプレーも打撃を受けるという。