ロシア、エジプトに航空機44機派遣 ロシア人観光客帰国へ

ロシア人のエジプト、トルコへの海外旅行も激減。写真はエジプトで海水浴を楽しむ観光客〔AFPBB News

 12月3日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は両院国会議員向けに年次演説を行った。 報道されるところでは演説は1時間あまり、冒頭はシリア、トルコとの問題について触れたが、残りの時間の多くは国内経済・社会問題に関して費やされた。

 経済問題に関しては次のように述べている。

 「ロシアの置かれた経済的状況は確かに厳しい。しかし、深刻な状況ではない。既に回復傾向が見え始めている。工業生産や通貨価値は安定しているし、物価も低下傾向だ。2014年に比べ資本流出も大幅に減少している。ただし、それに安心してはいけない」

 つまり国内経済の安定に一定の自信を示したものと言えよう。

「景気後退に歯止めかかった」

 また、9日、ドミトリー・メドベージェフ首相はジャーナリストとの公開テレビインタビューで、「景気後退と生産減少に歯止めがかかった。来年は成長に転じる」「危機対応プランが奏功した」と発言している。

 経済政策の実務を担うウリュカーエフ経済発展大臣も同日の国内のメディアに対して「2015年のGDP(国内総生産)見通しをマイナス3.7%に上方修正(9月時点ではマイナス3.9%)、インフレ率は12.5% 、2016年のウラル原油の平均価格は51.5ドル」と発言している。

 これに先立つ4日、格付機関ムーディーズはロシアのソブリン格付をBa1と投資不適格に据え置いたものの、先行き見通しをネガティブ(弱含み)からステイブル(安定的)に見直している。

 しかし、ロシア経済は順調な回復基調にあるのだろうか。