今月より「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」が公開される。スター・ウォーズシリーズのファンとしては待ち遠しい限りである。
私にとって映画は様々な感情を疑似体験させてくれる貴重な機会であり、よく映画を観る。物語において光と影のコントラストが際立っているほど、人は感情を揺さぶられるが、スター・ウォーズでは光と影のコントラストが特に明確に描かれる。
光の存在であるジェダイの騎士、影の存在であるダース・ベイダー。
ダース・ベイダーという影の存在を際立たせることで、そこに立ち向かうジェダイの騎士の勇敢さも際立ち、その結果、両者の激突は観客の感情をより強く揺さぶるようになる。
光と影の相乗効果
この光と影の相乗効果がスター・ウォーズという作品自体の魅力を高めている。
2013年に放送されたドラマ「半沢直樹」は近年稀に見る高視聴率となったが、この作品も影の存在が際立っていた。特に香川照之演じる大和田常務の迫力と憎らしさは圧巻だった。
この大和田常務の存在が堺正人演じる半沢直樹の魅力を大きく引き立てた。
また、バットマンに登場する悪役、ジョーカーも強烈な存在感を放っていた。人を人とも思わない残忍な彼の狂気が、観客に恐怖と憤りを覚えさせ、バットマンというヒーローを渇望する心理状態をもたらし、ストーリーに強い緊迫感をもたらした。
光は光の中にあっては光たり得ない。そこに影があってはじめて光は光たり得る。
明るい部屋で携帯電話の画面を見ても光を発していると感じないかもしれない。しかし、真っ暗闇の中ではその画面からいかに強い光が出ているかを感じることができる。
微かな光でも闇が深まると、人はその光に眩しさすら覚えるようになる。光と影、それは単独では存在し得ない関係にある。
同様に、敵も問題も存在しなければ、そもそもヒーローは必要とされない。敵や問題が存在してはじめてヒーローが求められる。