米国のハイテク大手6社が、互いの従業員を引き抜かないよう協定を結んでいたことが明らかになった。米司法省の反トラスト局が9月24日に6社をワシントンDCの裁判所に提訴した。
これに対し6社は既に協定を解除することで司法省と和解しており、司法省はその和解案を裁判所に提出した。裁判所がこれを承認すれば訴訟は終了することになる。
幹部が積極的に関与
協定を結んでいたのは、アップル、グーグル、インテル、アドビシステムズ、インテュイット、ウォルト・ディズニー傘下の映画制作会社ピクサー・アニメーション・スタジオ。
司法省によると、協定は、「アップルとグーグル」「アップルとアドビ」「アップルとピクサー」「グーグルとインテル」「グーグルとインテュイット」の合計5つが結ばれており、各社の幹部クラスが積極的に関与していた。
6社は互いの企業の有能な人材に対し電話勧誘をしないように取り決めていた。
米国のハイテク企業は、高度な技術や専門的な能力を持つライバル企業の従業員に直接電話をかけて勧誘するのが一般的だが、各社は電話勧誘禁止名簿を作成し、名簿に載っている相手に電話しないよう自社の従業員に指示していた。
なお司法省の今回の提訴の対象は電話勧誘禁止協定に限定されていたが、同省が各社と結んだ和解案では、あらゆる形態の勧誘、募集、採用、人材獲得競争で協定を結ぶことを禁じており、また協定の継続や強要なども禁止している。