出所:日刊工業新聞/共同通信イメージズ 「日刊工業新聞」

「イブニオン(EVNION)」は三菱商事、三菱ふそうトラック・バス(以下、三菱ふそう)、三菱自動車工業(以下、三菱自動車)の3社が共同出資して2024年6月に設立した企業である。10月1日、同社は充電器設置や電力プランの提案などEV関連サービスをワンストップで提供するプラットフォーム「イブニオンプレイス」を開設した。EVの普及に向けた課題を、イブニオンはどのように解決するのか。イブニオン誕生の経緯と事業の内容、今後の展望について代表取締役の窪田賢太氏に話を聞いた。

個人も法人も利用可能、EV周辺環境を整えるプラットフォーム

──イブニオンはEVそのものではなく、EVの購入・導入・利用にあたってのEV周辺のサービスを展開していますが、どのような経緯で立ち上がった会社なのでしょうか。

窪田賢太氏(以下敬称略) 当社は三菱商事、三菱ふそう、三菱自動車の3社が出資して設立した会社です。3社で議論を重ねる中でEVに関する共通の課題が見えてきました。私はもともと三菱商事でEV関係の新規事業開発に携わってきましたが、EV時代に向けてさらなる事業開発の必要性を感じていました。一方、三菱ふそうや三菱自動車は、EVを製造・販売しているメーカーとして、販売店でのEVの商談に工数がかか充り、電器の設置や電力プランなど付帯サービスの説明が販売店の負担になったり、またそうした付帯サービスについての情報を得ることが難しかったりという課題を抱えていました。

 ユーザー調査でも「EVを購入する際、充電器や電力プランなど、どこで何を選んでよいか分からない」「サービスを紹介してくれるところが少ない」という声が多く聞かれ、こうした、メーカーとユーザーの双方の課題を解決するため、2024年6月にイブニオンを設立しました。

── 2024年10月に「イブニオンプレイス」というサービスを開始しましたが、現在は具体的にどのような事業を展開しているのでしょうか。