日本の都心部で、中国人による不動産の“爆買い”が進んでいる。
「3.11」の影響で冷え切っていた投資ブームが再び盛り返しているのだ。山手線沿線で開業する不動産仲介業者によると、中国人からの不動産売買の問い合わせは「最近、非常に増えている」という。
だが、そこには「歓迎ムード」はない。取引の現場で広がっているのはむしろ困惑だ。
当初は「(中国人の)お客様は神様」という風潮もあったが、“マナー問題”が顕在化したことにより中国人との取引にはむしろ消極的だ。「できることなら相手にしたくない」と本音を漏らす不動産仲介の営業マンもいる。
「4000万円の物件でも、のっけから『1000万円負けろ』と平気で言ってくる。売主さんとようやく話をまとめても、契約当日にさらに値引きを迫ってくる。引き渡しの後も何かと文句をつけてくる。まともな交渉ができない──」
一方で、中国人の資金力をまざまざと見せつけられた営業マンもいる。豊島区の仲介会社職員は、「予約なしでフラッと来店した中国人が、店頭に貼ってある物件の図面を指さして、『これで売ってくれ』と、現金を詰めた紙袋を差し出した。あれには仰天した」と打ち明ける。