米ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、米グーグルは新興国市場用スマートフォンに向けた取り組みを見直し、この分野で再びチャレンジをするという。
新たなAndroid Oneで再挑戦
この取り組みは「Android One(アンドロイド・ワン)」とグーグルが呼んでいるもので、昨年9月にまずインド市場を手始めにスタートさせた。
だがウォールストリート・ジャーナルによると、グーグルのこの計画に基づいて開発されたスマートフォンは売れ行きが芳しくなく、結局は大失敗に終わった。
そこでグーグルは各種の条件などを緩和し、再びインドの大手携帯電話メーカーと提携した。今後数カ月以内にも、新たな条件で開発されたスマートフォンが、同国のラバ・インターナショナルというメーカーから発売されるという。
出荷台数はわずか300万台
インドをはじめとする新興国市場では、地場メーカーがグーグルのモバイルOS「Android」を採用したスマートフォンを販売しており、それらはよく売れている。
だが、そうした端末は古いバージョンのAndroidを採用していたり、非力な処理性能の部品を使ったりしており、使い勝手などがグーグルの目指す水準に達していない。
またソフトウエアがアップデートされるかどうかはメーカーや端末によってまちまちで、同じAndroid端末であってもその機能やサービスは一貫性がない状態。
そこでグーグルはこうした状況の改善を狙い、昨年、Android Oneを発表。地場メーカーに対しスマートフォン機能の基本設計やハードウエア仕様などを提供してきた。
この構想では、メーカーを介すことなく、グーグルがソフトウエアの自動アップデートを行ったり、不具合を迅速に修正したりする。これにより同社は、アンドロイドのブランドイメージを守れるほか、自社のネットサービスやアプリの利用者数を増やすことができる。