米国の世論調査機関、ピュー・リサーチセンターがこのほどまとめたデジタル機器に関するリポートによると、米国ではここ数年間、スマートフォンとタブレット端末の所有率が堅調に伸びたが、それ以外の機器の所有率は横ばい、あるいは低下している。
中でも米アマゾン・ドットコムの「Kindle」に代表されるような電子書籍専用端末は、著しく低下したという。
専用機を兼ね備える多目的機器
これは、今年3月17日~4月12日と6月10日~7月12日のそれぞれの期間に、18歳以上の米国成人約2000人を対象にアンケート調査を行ったもの。これらの米国人の居住地域は全米50州と首都ワシントンD.C.に及ぶという。
これによると、2011年時点で35%だったスマートフォンの所有率は今年68%となった。また米アップルが「iPad」の初代機を発売した2010年当時のタブレット端末の所有率はわずか4%だったが、今年は45%に上昇した。
スマートフォンは、ほぼすべての消費者層で所有率が50%を超えており、人種や民族による違いは見られなかった。
またスマートフォンの所有率は18~29歳の年齢層では86%に、30~49歳では83%に、世帯年収が7万5000ドル以上では87%に達しており、こうしたいくつかの消費者層向け市場では飽和状態に近づきつつあるという。
一方で、昨年32%だった電子書籍専用端末の所有率は今年は19%に低下した。また今年のパソコンの所有率は73%だったが、これは10年前とほぼ同水準で、パソコンはピーク時の2012年から7ポイント低下した。
このほかの機器を見ると、ゲーム機の所有率は40%で、過去5年間横ばいという状況。またMP3プレーヤーは2010年の47%から40%に低下している。
ピュー・リサーチセンターによると、こうした所有率の推移はスマートフォンが様々な専用機器の機能を兼ね備える多目的機器となったことがその要因。スマートフォンは音楽プレーヤーであり、電子書籍端末であり、ゲーム機でもあるからだという。