米国の市場調査会社IDCがこのほどまとめた最新のリポートによると、今年7~9月期におけるスマートフォン世界出荷台数(速報値)は3億5520万台となり、1年前から6.8%増加した。
牽引役は低・中価格帯の製品
IDCはこれに先立ち、スマートフォン世界出荷台数は昨年10~12月期に3億7520万台(速報値)となり、四半期の出荷台数として過去最高を更新したと報告していたが、この7~9月期はそれに次ぐ、過去2番目に多い出荷台数を記録したという。
IDCの調査マネジャーによると、この7~9月期はメーカー各社が相次ぎ旗艦モデルの新製品を発売したため、競争が激化した。
だが、市場成長の大きな牽引役となったのは、そうした高価格帯の製品ではなく、低・中価格帯の製品だった。この傾向は特に新興国市場で強かったという。
アップル、「6s」が好調で22%増
7~9月期のメーカー別出荷台数は、韓国サムスン電子が8450万台となり、最も多かった。これに次いだのが米アップルの4800万台。3位は中国ファーウェイ(華為技術)の2650万台で、このあと中国レノボ・グループ(聯想集団)の1880万台、中国シャオミ(小米科技)の1830万台と続いた。
このうちサムスンの出荷台数の1年前に比べた伸び率は6.1%となり、市場全体の伸び率を若干下回った。
サムスンは8月にアップルに先駆けて旗艦モデル(「Galaxy S6 edge +」「Galaxy Note 5」)を市場投入しており、これが9月の出荷増加につながった。一方で「Galaxy Core」「Galaxy Grand Prime」「Galaxy Jシリーズ」といった低価格端末は新興国市場でよく売れたという。