「生産緑地」というのをご存じだろうか。
近所で緑色の杭に「生産緑地」と書かれた農地を目にしたことのある方は多いはずだ。筆者の自宅の近くにも生産緑地が点在している。
簡単に言ってしまえば、都市部の住宅街などの中にある農地は、ほとんどが「生産緑地」だと思っていただいてよい。今回は、この生産緑地に迫る「2022年」問題を取り上げたい。
固定資産税が一般農地並みに
まず生産緑地とはどのような土地なのかを、説明しよう。
生産緑地は、市街化区域内の土地のうち「生産緑地地区制度」に沿って管轄自治体より指定された区域である。土地の要件等は「生産緑地法」によって定められている。対象となるのは、首都圏・近畿圏・中部圏内の政令指定都市である。
1991年(平成3)年、市街化区域内の「生産緑地」について、固定資産税および相続税の課税が「宅地並み」から「農地並み」に引き下げられた。政府が、都市部の農家に宅地並みの固定資産税や相続税を課すのは現実的ではないと判断した結果である。いわば都市部の農地を保護する政策であった。