これまでツイッターが簡素なサービスに徹していたため、より使い勝手を良くしようと社外の開発者が次々に参入。無償で提供されている投稿データへのアクセス手段を利用して、連携サービスを開発している。
こうしてツイッターを取り巻く周辺ビジネスの生態系が生まれたのだ。
ウォールストリート・ジャーナルによると、1日当たり9000万件以上のツイートがこうした外部サービスから投稿されているが、今後ツイッターが付加機能を自社内で拡充していけば、やがてサードパーティー離れが生じるのではないかと懸念されている。
ビジネス展開、着々と
一方で、今回の刷新は収益への貢献も期待できると見られている。「これで、ツイッターにソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)『フェイスブック(Facebook)』の要素が備わった。広告主にとっては魅力的なはずだ」と前述のウォールストリート・ジャーナルの記事は伝えている。
同社はこの4月、「プロモーテッド・ツイート」と呼ぶ検索連動型広告を導入した。
ユーザーがツイッターで検索を行うと、そのキーワードを購入した広告主のツイートを検索結果一覧の最上部に表示するというもので、コーヒーチェーンの米スターバックスや家電量販店の米ベスト・バイなどが参加している。
当初、ユーザー離れを懸念して商業ベースの要素が入ることを躊躇していた同社だが、ゆっくりながらも着々とビジネス展開を進めているようだ。
ホームページデザインの改良について説明するエバン・ウィリアムズCEO〔AFPBB News〕
米ニューヨーク・タイムズによると、同社のエバン・ウィリアムズCEOは、今回のサイト刷新はあくまでもユーザーの利便性を考えて行ったと話している。
この4年間で急速にユーザー数を伸ばしてきた同社は、サイトの安定運用に追われ、刷新どころではなかった。ここに来てようやく新たな展開に着手できたという。
ただ、同氏は収益拡大への可能性について否定していない。例えば、映画会社が予告編動画付きの投稿を行えば、ユーザーはツイッター内でそれを見ることができる。
動画の視聴環境が向上すれば、滞在時間は自ずと長くなる。結果として収益拡大につながる。今回の刷新で同社はその基盤作りをさらに一歩進めた。そう考えてよさそうだ。

