農業は高齢者の労働力も必要としている。 (写真はイメージ)

 農業の国家戦略特区に指定されていた兵庫県養父(やぶ)市で、シルバー人材センターが派遣する労働者の労働時間を週20時間から40時間に増やすことになりました。厚生労働省も全国で同様の時間増を行う検討を始めました。

 もともとシルバー人材センター登録者の労働時間が週20時間に制限されるようになったのは、労働時間を制限することで現役労働者の仕事を圧迫することがないようにといった趣旨だったようです。

 しかし若年労働者が減り続け、昔より元気な年寄りが増える時代ですから、こうした規制緩和が行われるのはよいことでしょう。

 今回のシルバー人材の労働時間延長は、養父市が求めたものです。養父市の要望が伝えられたのは一昨年の9月でした。規制緩和に2年もかかっています。特区でやるのに改革スピードがこれでは政府のやる気を疑いたくなりますが、養父市が当初求めていた30時間を大幅に超える延長となりました。

労働力が不足していた養父市の農業

 ところで、なぜ養父市はシルバー人材センターの労働時間延長を求めたのでしょうか。