『ジュラシック・ワールド』、世界興行収入が歴代3位に

映画『ジュラシック・ワールド』のプレミア上映会に出席した出演者のブライス・ダラス(左)とクリス・プラット〔AFPBB News

 全世界で記録的大ヒットとなった『ジュラシック・ワールド』(2015)が、日本でも劇場公開されている。

 恐竜映画の歴史を変えた『ジュラシック・パーク』(1993)公開から20余年。シリーズ第4作となる最新作は、過去3作では頓挫していた恐竜テーマパーク一般公開が「ジュラシック・ワールド」という形で既に実現している設定となっている。

 その一方で、人々は見慣れた恐竜に飽き、「新種」が投入されている。そんななか、飼育中のハイブリッド新種恐竜が柵を乗り越え暴走、凶暴性を発揮し・・・という物語である。

 地球には46億年の歴史がある。幾多の変遷を重ね、原始の大地の多くは消え去り今に至っているが、南米、ベネズエラ、ガイアナ、ブラジルの国境に広がるギアナ高地は、20億年前の姿をそのまま見せてくれる。

1912年発表の「失われた世界」

 1912年、名探偵「シャーロック・ホームズ」シリーズで知られるアーサー・コナン・ドイルは、「失われた世界(ロスト・ワールド)」を発表、その地を絶滅したはずの恐竜の棲息地へと調査に向かう科学者たちの冒険行のモデルとした。

 昨今の世界遺産ブームで高低差世界最大の滝「エンジェル・フォール」が有名となり、今ではセスナやヘリコプターで比較的簡単に接地できるが、ドイルの時代は全く未知の地。想像力をかき立てるには事欠かない神秘に満ちたところだった。

 それから間もない1914年、初の実写恐竜映画『Bruce Force』が登場、『イントレランス』(1916)などで知られる「映画の父」D・W・グリフィス監督の手によるものだった。1925年には「失われた世界」も映画化、小説ともども、ジャンルの古典となった。

 地中世界に棲息する恐竜たちが登場するジュール・ヴェルヌ原作の映画化作『地底探検』(1959)、エドガー・ライス・バローズの「時間に忘れられた国」の映画化『恐竜の島』(1975)など、恐竜が登場する古典冒険劇の映画化はほかにもある。

 しかし、地球史とは全く整合性のない人類と恐竜とが共存する『恐竜100万年』(1966)のような作品、大型爬虫類のようでしかない恐竜の登場するむしろ怪獣映画と言った方がいい低予算作品が多くを占めた。