携帯電話機世界最大手のフィンランド・ノキアが9月10日、最高経営責任者(CEO)を交代すると発表した。同社のCEO人事を巡っては、7月にヨルマ・オリラ会長が後任探しに動き出したと米ウォールストリート・ジャーナルが報じていたが、それが現実のものになった。
MSのバルマーCEO後継者候補と目された人物
新CEOに任命されたのは、米マイクロソフトでビジネス部門の社長を務めるステファン・エロップ氏。9月21日付で正式に就任する。同氏はノキアの社長も兼務することになる。
エロップ氏が社長を務めるマイクロソフトのビジネス部門とは、基本ソフト(OS)の「ウィンドウズ」に並ぶ主力製品「オフィススイート」を手がける部門。同氏は実利的で決断力のある人物として知られており、ソフトウエア業界で幅広い経験を持つ人物だ。
グラフィックソフトやウェブ開発ソフトの米マクロメディアでCEOを務め、マクロメディアが米アドビシステムズに買収された後はアドビで販売部門の幹部に就任した。
その後ネットワーク機器大手の米ジュニパーネットワークスで最高執行責任者(COO)を務めていたが、2008年にマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOに引き抜かれた。
同氏はバルマー氏の有力な後任候補として目されていた人物で、マイクロソフトにとっては大きな痛手だと11日付のウォールストリート・ジャーナルの記事は伝えている。
新端末「N8」がノキア成功のカギを握る
一方でノキアがソフトウエア業界の人物を起用したことは、世界の携帯電話市場が劇的に変化したことを示している。