その数を見ると、三沢基地の重要性がよく分かる。中国軍機に対する自衛隊機のスクランブルが増加しているのは周知の事実であり、去年度は464回あった。しかしロシア軍機に対するものは中国に対するものよりも多く、473回のスクランブルをかけていた。つまりスクランブル全体数の半分を占めていたのである。そして、その大部分を担う北部航空方面隊からは286回もスクランブルを行ったのである。

 さらに、一口にロシア機といっても、イリューシン20偵察機からツポレフ95戦略爆撃機まで様々な機種が様々な飛行ルートで領空に迫ってくる。航空自衛隊はそれに迅速かつ適切に対応する能力を持つ飛行機を、相手からの不意の行動などあらゆる状況を想定しながら運用しているのである。このような背景から、三沢基地には近い将来F35戦闘機などが配備される予定である。

百里基地での体験でもそうだったが、操縦士や管制塔官と実際に話すと、一人ひとりの対応が丁寧で高い士気を維持しているのが分かる。一度の失敗は大きな問題につながりかねないため、どんな時でも反応できるよう訓練されている。三沢を訪問して確認したことは、航空自衛隊が対ロ抑止の点で大切な役割を果たしていることである。なお、青森県にはその他にも陸上自衛隊と海上自衛隊の基地があり、航空自衛隊と連携を保っている。

不可欠となっている陸海空の統合運用

 次に、目黒基地(東京都・中目黒)にある航空自衛隊の幹部学校にお邪魔し、学校長および副校長、航空研究センターの方々らと挨拶、話をさせていただいた。

 幹部学校は、私が勤めるアメリカ空軍戦争大学(アラバマ州)のカウンターパートにあたる。航空研究センターは幹部学校の中に2014年の8月にできたばかりの、エアパワーに関する日本で唯一のシンクタンクである。毎年米軍の学生を引率しているため、私にとっては比較的馴染みのある場所である。

2015年3月に航空自衛隊幹部学校で開かれた、アメリカ空軍戦争大学の学生とのディスカッション