太陽光発電の勢いに陰りが見える中、ここにきて再生可能エネルギー業界ではバイオマス発電の存在感が増してきている。
固定価格買取制度施行以降の買取電力量伸び率を見ても、バイオマス発電は太陽光発電に続く着実な伸びを見せている。あまりにも太陽光発電市場の伸びが急速であったためその陰に隠れていたところもあるが、政府のエネルギーミックスの議論においてもバイオマス発電は太陽光発電と並ぶ重要な電源としての位置づけが明確になった。
こうした政府の動きに対応する形で、民間でも特に製紙業界を中心にバイオマス発電を成長戦略の核に据える企業が増えてきた。例えば日本製紙や住友林業はバイオマス発電(石炭火力における混焼型も含む)の開発積極的に進めている。
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製紙業も林業も、従来の事業領域の成長性が限られていた中で、そこで培った廃材利用や物流のノウハウをそのまま生かしつつエネルギーという新たな分野に参入できるバイオマス発電はまさに天啓と言うべきチャンスとなっている。
また地方自治体にとっても、土地を使うだけで地元にほとんど雇用をもたらさなかった太陽光発電と異なり、バイオマス発電は林業の活性化や燃料の運送といった形で継続的な雇用を生むありがたい存在であり、積極的な誘致・振興が図られている。