米インテルの今年1~3月期の決算は売上高が128億ドルで、1年前から横ばいとなった。純利益は20億ドルで同3%増。粗利益率は60.5%で、同0.9ポイント改善した(PDF書類)。
PC部門の不振をサーバー部門が補う
同社のブライアン・クルザニッチ最高経営責任者(CEO)によると、パソコン向け半導体部門を含む事業グループの売上高は減少したが、サーバー向け半導体などのデータセンター事業や、モノのインターネットと呼ばれるインターネット・オブ・シングス(IoT)向け半導体事業などが増収となり、全体を補った。
だが同社は世界のパソコンの大半に半導体を供給している企業。昨今のモバイル端末の普及を背景に、同社はパソコン向け半導体事業に過度に依存しない収益構造を構築しようとしている。
一方、米ウォールストリート・ジャーナルによると、昨年はパソコン向け半導体の販売が緩やかに回復し、インテルはその恩恵を受けた。
昨年は、米マイクロソフトのOS「Windows XP」のサポート終了に伴い買い替え需要が増加し、パソコン販売が伸びたからだ。だが米ガートナーによると、その勢いは今年1~3月期なって弱まった。
PCは「Windows XP」からの買い替え需要が減少
インテルもこうした状況を把握していたようで、同社は今年3月、1~3月期の売上高見通しを下方修正した。この時同社は、企業向けデスクトップパソコンの需要が予想を下回り、パソコンや部品メーカーの在庫水準が予想より低下しているためと説明していた。
同社はその理由として、Windows XPからの買い替えが中小企業で期待ほど進んでいないこと、欧州を中心にマクロ経済や為替を巡る状況が厳しくなっていることを挙げていた。