先日、台湾第2の都市である高雄市に出張で訪れたのだが、現地の若者と交流した際に日本のサブカルチャーが深く浸透していることに驚いた。現地のいわゆる「オタク」たちが集うイベントに顔を出してみたのだが、日本人というだけで大歓迎を受け、「進撃の巨人」「ドラえもん」「ジョジョの奇妙な物語」「魔法少女まどかマギカ」といったコンテンツについて片言の日本語で熱く語られた。
このように日本の漫画・アニメがアジアに浸透していることはよく知られたことであるが、もう1つ驚いたのが日本のポルノコンテンツの普及である。
具体的なことを言うと、現地の20代の男性陣が私が日本人ということを知ったら「麻生希、麻生希」と声をかけてきた。麻生希さんというのはいわゆる日本のAV女優なのだが、台湾では現地の有名女優と似ていることもあり、日本を超える絶大な人気を誇っているとのことだった。
「このような事態を果たして喜ぶべきなのかどうか?」ということは少々疑問に思うところのだが、それは別として台湾に限らず韓国や中国といった国々でも日本のポルノコンテンツが絶大な人気を誇っていることは間違いない。例えばよく知られていることだが、蒼井そらさんは中国版ツイッターと呼ばれる「weibo」で1000万人を超えるフォロワーを誇っている。
このように日本のポルノコンテンツはアジア各国から支持を得ているのだが、しかしながらポルノ規制には各国ごとに大きな違いがある。そのため必ずしもその普及度に見合った収入が得られていない状況にあり、数千億円規模とも言われる権利被害があるようだ。
そこで今回は改めてポルノ産業を題材に、表現の自由とコンテンツ産業の関係について改めて考えてみることにしたい。
ポルノコンテンツ規制の2つの潮流
言うまでもなくポルノ産業には規制がつきものである。世界中の国でほぼ例外なくポルノ産業には何らかの法的な、または自主的な規制が設けられている。