イエメンのアデン、戦闘で1400人以上が死傷 先月26日以降

イエメン南部の港湾都市アデン市内で、イスラム教シーア派系の武装組織「フーシ派」と交戦中の民兵ら(2015年4月4日撮影)。(c)AFP/SALEH AL-OBEIDI〔AFPBB News

 前回(「イエメン空爆を招いた過激派『フーシ派』の正体」)は、サウジアラビアをはじめとする10カ国がなぜイエメン空爆を始めたのか。空爆の直接的な原因をつくったイエメンのシーア派系武装組織「フーシ派」とは一体どんな組織なのかを見た。今回は、軍事介入によってイエメンでどんな展開が今後起こり得るのか考えてみたい。

 今やイエメンは、表面的に見れば、地域諸国の代理戦争と宗派対立が極まった失敗国家に成り果てんとしているかに見える。空爆の継続と、場合によっては地上軍の派遣によって、交渉を通じた政治プロセスを再開することは当面の間は不可能であろう。

 今後のシナリオは、2つの条件に依存している。すなわち、1つは、地上軍が実際に派遣されるか否か、そして派遣される場合にはどれほどの規模の地上軍が派遣されるかであろう。もう1つは、その際に、サーレハ前大統領の息のかかった勢力が、どのような判断を下すかである。

イエメンとサウジアラビアの位置関係(Googleマップ)