イエメンにおいて、サウジアラビアをはじめとする10カ国による「決意の嵐」(Asifat al-Hazm)と呼ぶ軍事作戦が始まって以来、すでに2週間が経つ。
3月25日深夜すぎに、サウジアラビアを中心とする湾岸諸国の軍用機が、イエメン南部の主要都市アデンまで席巻しようとするイスラム教シーア派系武装組織「フーシ派」に加え主要な空軍基地や弾道ミサイルなど拠点に対して、空爆を行い始めたのである。
10カ国とは、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、バーレーン、カタール、ヨルダン、モロッコ、スーダン、エジプトに加えて、サウジアラビアはパキスタンの参画も強く期待していると言う。一方、イランとの関係を重視するオマーンはこれに加わっていない。
これによって、シリア、イラク、リビアに加えて、とうとうイエメンの内戦にまで、地域諸国自らが軍事的に介入する決意を露わにすることになったわけだ。
一方で、今回の湾岸諸国中心の空爆に対して米国政府からは、後方支援やインテリジェンスを供与し、支援するとの声明が出されているものの、米国の存在感のなさは実に顕著である。同様にロシアについても、ラブロフ外相がサウジアラビアから国連安保理にも事前に相談はなかったとして、その困惑を吐露している。