米フェイスブックが、中国で広告事業の強化を図っていると、米ウォールストリート・ジャーナルが伝えている。同社は中国の広告代理店と提携し、中国企業を対象にした広告キャンペーンを展開しているという。
サービス遮断されても、中国企業の需要は旺盛
フェイスブックやツイッターといった米国のソーシャルメディアは、2009年から中国本土でアクセスが遮断されている。
これは大規模なデモ活動や、2011年に中東で起こった「アラブの春」のような反政府運動を中国当局が警戒しているためと言われている。
香港の英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポスト(南華早報)によると、米グーグルのサービス「Gmail」「Google+ 」も、過去数年断続的な遮断が続いていたが、香港で大規模民主化デモが行われた昨年後半、完全に遮断されたという。
そうした中、フェイスブックやグーグルは香港に営業所を開設し、中国企業を対象にした広告販売に力を入れている。ツイッターも今年3月、香港に営業所を開設したと伝えられた。
これらのサービスに掲載される広告は中国本土の消費者が目にすることはない。だが、米国発のソーシャルメディアは世界市場における認知度向上に役立つと見て、積極的に活用する中国企業が増えているという。
ウォールストリート・ジャーナルによると、フェイスブックは中国の広告事業に関して、2社の広告代理店と提携している。そのうちの1社である飛書互動(MeetSocial)は顧客が100社以上あり、フェイスブックの広告に1カ月当たり数千~100万ドル以上を費やしているという。
また、フェイスブックは上海のオンラインゲーム会社、遊族網絡(Youzu Interactive)のような広告主を増やしたい考えという。