「日銀が升酒持ってきた」 追加緩和受け株価上昇

日本銀行本店で記者会見する日銀の黒田東彦総裁(2014年10月31日撮影)〔AFPBB News

 日本の財政問題をめぐる水面下の攻防が激しさを増している。政府は2015年2月12日、最新版の「中長期の経済財政に関する試算」を公表し、経済が順調に回復しても財政再建が難しい状況であることを示した。

 また同じ日に開催された経済財政諮問会議では、民間議員らが基礎的財政収支の黒字化に向けて、経済成長と聖域なき歳出抑制を実施するよう提言を行っている。議事録には書かれていないのだが、この日の会合では、黒田日銀総裁が安倍首相に対して財政再建に本気で取り組むよう、強く促す場面があったとも言われる。

 一方で、こうした財政健全化に関する議論は、財政当局の意向に基づいたものであり、必ずしも基礎的財政収支の早期黒字化にこだわる必要はないとの見解がある。日本政府が抱える巨額の借金についても同様に意見の相違が見られる。政府内部では、財政出動を強く求める議員グループの意向を受け、財政健全化について複数の目標を設定する案も浮上しているようだ。

 実際のところ、日本政府が抱える財政リスクはどの程度なのだろうか。