マット安川 ゲストに元公安委員長・元拉致担当大臣の民主党・衆議院議員、松原仁さんをお迎えして、新体制となった民主党の課題などをお伺いしました。
ガラス張りで行われたことに意義がある民主党代表選
衆議院議員。民主党東京都連会長、衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会委員長。松下政経塾、東京都議会議員を経て、2000年衆議院議員に初当選。ラジオ番組パーソナリティーの経験も。(撮影:前田せいめい、以下同)
松原 今回の民主党代表選について、1つ非常によかったと思うのは、党員・サポーター全員参加で投票が行われたことです。
従来は、急に代表が辞めたような場合は議員だけで決めていた。それをサポーターまで広げてやったので、国民全体に民主党の代表選挙が見られる形、ガラス張りで行われたのはすごくよかったと思います。
私自身は細野豪志氏を応援していましたが勝てなかった。それぞれの候補者が民主党への愛党精神を持っていたわけですが、少し世代代わりしたほうがよかったのかなと思っています。
ただ、今回は全国11カ所でオープンな議論をしました。これは国民政党への努力だと思っています。そのプロセスに価値があって、その結果、岡田(克也)さんに決まったわけですから、ノーサイドで、岡田さんを支えてやっていきます。
国民の活力を取り戻すには明治維新に学べ
そこで重要なことは、民主党は何をする政党かという基本的な原則です。国会の衆院予算委員会が始まり、民主党の立ち位置が明らかになってきているのかなと思いますが、長妻(昭)さんが主張したように、一人ひとりの国民の立場に立って格差をなくすということが民主党の基本だと。
私は明治維新に学ぶべきだと思っています。明治維新は日本にとって非常に大きな革命で、それから半世紀の間に日本は当時の国際連盟の常任理事国まで上りつめた。つまり成功したビジネスモデルだったわけです。
明治維新は2つの点で大きな変革をもたらしたと思います。1つは廃藩置県。約300年続いた藩を全部なくして県にするというのは大革命でした。もう1つは階級制度の撤廃。
四民平等ですが、西郷隆盛が多くの不平士族とともに死ぬなど大きな血が流れて、しかしそれによって日本は階級のない総中流意識の国家として、ものすごいエネルギーを持った。そのエネルギーは日本にとって大事で、資源のない国ですから人間の活力しかない。
いまの社会で一番問題なのはこのポイントだと思いますが、格差社会で豊かな人と貧しい人がいて、貧しい人の子供は学校も大学まで行けない。完全に格差が固定化されてきている。明治維新では身分階級の格差、平成のいまは資産の格差です。