高技術企業は高付加価値
過日、学生を引率して岐阜県にあるヤマザキマザックの主力工場を見学した。ヤマザキマザックは言わずと知れた日本の工作機械メーカーのトップ企業で、世界中の製造業が顧客対象となっているグローバル企業である。売上高は約2000億円、経常利益率10%の超優良企業だ。
同社は鉄の塊から3次元の研磨機でどんなものでも製作できるという技術を持っている。氷の芸術品が氷の塊から削って作られるのと同じ理屈なのだが、モノが鉄だけに恐れ入る。研磨機は縦横斜めの3次元の動きのコンピュータ制御で複雑な形状を精緻に削り出していく。その様子を見ていると、匠の技を持った職人がコンピュータロボットになって機械を作っていくようだ。まるでターミネーターの世界そのものが目の前にあった。
また、よく知られるようにキーエンスは経常利益率30%と言われる日本でトップクラスの高付加価値メーカーである。製品企画をCADやCAMを駆使して開発している。
東大阪や東京の大田区、墨田区あたりには世界中に1社だけしか作れないという技術を持つ中小企業が集中しているが、いずれも高度な技術、長年培ってきた匠の技を擁し、世界中の大企業が頭を下げて買いに来る。当然高収益企業となる。
サービス業の世界を見ても、医者や弁護士といった高度な知識や技術を必要とする仕事は昔から高付加価値かつ高収益事業であった。