飢えたサルはなぜ長生きしたのか?
明らかになってきた長寿の体内メカニズム

エネルギー摂取制限と長寿の研究(前篇)

2014.12.12(Fri)漆原 次郎

 現代は飽食の時代。少なくとも日本では、飢餓で命を落とすような人はめったにいなくなった。

 ところが、栄養を豊富に摂取できる現代においては、健康長寿と関係するある遺伝子が、あまり活性化されずにいるままなのだという。

 その遺伝子、「サーチュイン遺伝子」とよばれる。2012年に、NHKスペシャル「あなたの寿命は延ばせる 発見! 長寿遺伝子」という番組で取り上げられ話題にもなった。

 逆説的だが、この遺伝子は、エネルギー摂取が制限された状態になるほど、よく活性化して健康長寿をもたらすのだという。

 どのようなメカニズムで、この遺伝子が健康長寿を導くのか。効果的にこの遺伝子を活性化させるには、どのようにすればよいのか。

 こうした疑問をもちながら、金沢医科大学の古家大祐教授の研究室を訪ねた。古家氏はこれまで、エネルギー摂取制限と健康長寿の関係性などを研究してきた。上記のNHKスペシャルでは、人を対象としたサーチュイン遺伝子活性化の実験も行っている。

 前篇では、エネルギー摂取制限が健康長寿につながるという過程について聞くことにする。そして後篇では、健康長寿に向けて、我々が実践できる取り組みを中心に聞いていくことにしたい。

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