11月19日 自民党行政改革推進本部が「医療費抑制のため、全ての処方箋に安価な後発医薬品(ジェネリック)を調剤するよう」求める提言を衆院選の公約に反映させる方針を決めたという報道がありました。

 具体的には、「先発医薬品を希望する場合には後発品との差額を患者の自費負担で行う」ことを目指すとされています。

 日本の医療費が増えている理由の1つとして、「薬剤価格が高い」「薬剤使用量が多い」ことが挙げられるのは間違いありません。

 安いジェネリックを使用すれば、年間3000億円ほどの医療費削減効果が見込まれると言われます。それを聞けば、誰もがそうすべきだと思うことでしょう。

 でも、日本の薬剤費の金額は年間8兆円に及びます。ですから、ジェネリックによって節約されるとされる3000億円はそのうちの数%に過ぎません。

 私は、ジェネリックの推進よりも、ジェネリックの“価格決定方法”を見直すことの方が重要だと考えています。なぜなら現在の日本のジェネリック価格は法外に高く、それが新薬開発を阻害しているのです。しかし、そのことは一般の方にほとんど理解されていないようです。

ジェネリックは「先発品と同じ」ではありません

 以前のコラム「ジェネリックは『先発品と同じ薬』ではありません」でも述べましたが、ジェネリック(後発医薬品)は「先発医薬品と同一の有効成分を同一量含有している」だけであり、添加物などは異なります。先発医薬品と決して「同じ」ではありません。