【「営業フォーメーション」変革の教科書】 [バックナンバー]
(第1回)企業にコミュニケーション力の強化は必須、差別化のカギは費用対効果を高めること
(第2回)「誰に」「何を」「どうやって」から考える法人営業の売り上げ拡大策
(第3回)スーパー営業マンにはもう頼らない、分業と集中で営業生産性を高める
(第4回)分業と集中が営業生産性を劇的に向上させる
(第5回)「手間がかかる」か「かからないか」で商品特性を切り分ける
(第6回)商品特性や顧客の規模に合わせて営業シナリオを作成する
前回に引き続いて、営業活動の生産性向上につながるセールス手法である「シナリオ型営業」に関して解説します。
シナリオは4つのパターンに分けられます。前回は「商品主導、キャンペーン型シナリオ」「顧客主導、大手新規企業開拓型シナリオ」という2つのパターンを説明しました。今回は3つ目、4つ目のパターンを説明します。
【シナリオパターン(3)】顧客主導、既存大手顧客フォロー型
大手企業をできるだけ効率よくフォローするために、対面型営業とセンター型営業がハイブリッドで営業体制を整備するタイプです(注:「センター型営業」は客先を訪問せず、電話、FAX、電子メール、ウェブといった非対面ツールで顧客とコミュニケーションを取ります)。顧客の中に権限委譲や購入決定者が多くいる場合に有効となります
コンピュータ市場の例を挙げると、一昔前までは、コンピュータの機器を選定して発注の権限を持っていたのは情報システム部門でした。しかし、パソコンやサーバー機器の技術進歩やニーズの変化にともない、エンドユーザー部門からの需要が生まれ、エンドユーザー部門が直接、機器を購入するという状況になってきました。特に大手企業はその傾向が強くなっています。これに対して、今まで情報システム部門しかフォローしていなかったコンピュータメーカーは、エンドユーザー相手の商談機会を逃すようなケースも見られます。