米グーグル傘下のユーチューブ(YouTube)は、有料の動画配信サービスを計画しているという。同社のスーザン・ウォジツキ最高経営責任者(CEO)が、カリフォルニア州のハーフムーンベイで開催された、モバイル技術とメディア関連のカンファレンスで明らかにしたと複数の海外メディアが報じている。
10億人超の利用者に向けた新たな試み
ウォジツキ氏はグーグルで長年、広告・コマース部門を統括してきた人物。今年2月にユーチューブのCEOに就任して以来、動画配信サービスの収益拡大について方策を探っているという。
ウォジツキCEOはインタビューに答え、有料の動画サービスの開始は「近々」と述べたが、具体的な時期や料金などには言及しなかった。
ただ同氏は、既存の広告付きの無料サービスと、広告表示のない付加的なサービスの2つを用意し、ユーザーに選択してもらいたい考えを明らかにした。利用が急増しているモバイル端末と相性の良いサービスについても言及したと米ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
これが実現すれば、広告を伴う無料の動画を提供して、月間10億人以上のユーザーを獲得してきた世界最大のオンライン動画サイトにとって、大きな転換になると、英ロイター通信は伝えている。
ユーチューブ自らが手がける有料サービス
ユーチューブは現在、限定的なかたちで有料サービスを提供している。同社は昨年5月、限られた少数の動画提供者を対象にした有料チャンネルの実験プログラムを開始した。
ユーチューブには企業や個人の動画配信ページ「チャンネル」がある。このプログラムで同社は、動画提供者が自身のチャンネルで、ユーザーから視聴料金を徴収できるようにした。同社は昨年10月にこれを拡大し、動画提供者や対象国の数を増やしている。