今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(10月12日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)は、公務で海外出張中の中山氏に代わって元産経新聞記者の今西和貴氏がナビゲーターを務め、地方創成や国家戦略特区、カジノ法案などについて解説した。
東京一極集中によって苦境に立たされる地方経済
今西 今回は、中山さんがエジプトのカイロで開かれるガザ支援国会議に出席のため不在ということで、私が代役を務めます。
まずは地方創生の話題から。政府は、地方自治体の予算の全体像を見積もる「地方財政計画(地財計画)」に来年度、新たに1兆円超の「地方創生枠」を設ける方針を固めたそうです。
地方財政計画とは、地方行政に必要なお金の総額と財源を示すもので、今年度の総額は83.4兆円。来年度は必要経費を見積もる「歳出総額」の中に、一般行政経費(今年度約33兆円)や給与関係経費(同約20兆円)などに加え、この「地方創生枠」を新たに設ける予定だとのことです。
これは各自治体が取り組む人口減対策などの予算に充てるもので、安倍政権が重視する地方対策の柱の一つになる見通しだと伝えられています。
安倍政権は、地方創生を成長戦略の柱に掲げていますが、その目的は来年春に控える統一地方選挙に勝つことです。石破(茂)前幹事長が「統一地方選で国民の支持を得て初めて政権奪還、政権交代は完成する」と述べているように、この選挙の勝敗は自民党が以前のように安定した長期政権を築けるか否かを左右すると考えられます。
また私自身も、地方創生の重要性を実感しています。私の住まいがある東京では、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、ヒト・モノ・カネが集中する勢いや活気が肌で感じられるんです。
特に、豊洲などのベイエリアでは五輪関連施設の新設が予定されているほか、築地市場の豊洲移転を受けてタワーマンションなどの建設ラッシュが続き、多くの若い世代が転入してきています。小学校や幼稚園、保育園も次々と建てられ、本当に日本は少子化なのかと疑うほどです。
そうした東京の発展を目の当たりにして大阪へ来ると、今度は地方の憂いというか寂しさを感じずにいられません。
京都新聞9月6日掲載の社説でも、「東京一極集中が進み、高齢化や人口減少にあえぐ地方の再生は、日本の将来を左右する大きな課題」と述べ、アベノミクス効果が地方に波及していないと指摘しています。